2010年09月18日

日中関係の陰と陽、そのいずれもが現実です

.JPG上海の機械展示会で(本文と関係ありません)

尖閣諸島付近で起きた海上保安庁巡視船と中国漁船の衝突事件に絡んで、中国の一部で反日ムードが高まっています。これまでにも、北京や南京、瀋陽、広州などで日本のスーパーや飲食店への落書き、投石などが30数件発生しているとされています。またインターネット上では、満州事変の発端となった柳条湖事件から78年目を迎えるきょう18日に合わせた抗議活動の呼び掛けもあります。特にこれまであまり動きが見られなかった上海で、デモを含む抗議行動の可能性があるかもしれないと、日本人社会に緊張が広がっています。
ちっ(怒った顔)

ただ現在は上海万博も開かれており、6年前の2005年4月に上海の虹橋地区にある総領事館や飲食店が大きな被害を受けたような動きまでには至らないとの見方が一般的です。その時には、たまたま前日まで上海に出張中で、パーティで会った総領事は「上海はたいしたことはない」と話していました。しかし翌日夜、大阪の自宅で見たテレビでその総領事が、顔面蒼白で抗議声明していたことを今でも覚えています。中国ではいま、愛国感情が盛り上がる時期でもあり、「何が起こるか分からない」との声が聞かれます。ある程度政府当局も「ガス抜き」の意味合いから抗議行動を容認しますが、反日デモが広がれば統制できなくなる可能性も強く予断は許しません。

それにしても今回の尖閣諸島での中国漁船の異常な行動、新大使の丹羽さんを未明に呼び出して抗議するなどの中国当局の対応、どうも理解できないことが色々あります。やれ政治空白期における日本の危機管理能力を見るとか、昨年来やや冷却関係にある日米関係を中国当局が試したなどの憶測も飛び交っています。現実に、米政府は、事件は偶発的なものではなく、中国政府黙認の下で起きた「組織的な事件」との見方を強めて中国の動向を警戒しています。

たしかに中国国内の反日感情は、拘置された中国人の漁船船長の扱いが解決しなければ、容易に収束しないと思われます。現実に健康食品などを製造・販売する日用品メーカーが10月上旬に社員や取引先など1万人規模で来日し、5泊6日で日本各地を観光する予定だったツアーが急きょ中止となりました。逆に日本からの中国行きも、例えば万博ツアーなどにキャンセルが出始めています。かくいう当方も、来週末25日から山東省の済南市で開かれる交易会へ行く予定ですが、カミさんからは「何はさておき保険だけは」を厳しくいわれています。
わーい(嬉しい顔)

とはいえ東京や大阪、北海道、九州にはきょうも多数の中国人が来ています。特に九州の長崎、福岡などにはクルーズ船を仕立てた旅行団が上海などから大挙来日しています。クルーズ船の入港は3年前までは長崎港が日本一でしたが、現在は博多港です。博多港は3年前ゼロでしたが、今年は64回の中国からの入港が予定されています。2日前のテレビで、1200人を乗せた船が早朝、博多港に着岸してから一部観光を含む天神でのショッピングを経て帰国する、船中2泊のショッピング旅行を紹介していました。

子供を含む家族10人を引き連れたあるアパレル会社の社長、百貨店で日本製の時計4個を含め20万円、さらには家電ショップでお粥のできる電気釜、薬局で化粧品など大変な買い物をしていました。船は手荷物の制限がないため、人気があるのです。受け入れの福岡市も力が入っており、入港使用料の半額、中国人スタッフや中国パンフの充実など3200万円の年間予算で対応しています。それでも年間30億円が見込めるわけですから、高くはありません。

日中関係を取り巻く陰と陽ですが、そのいずれもが現実です。今回の問題は、日本の内閣の組閣が終了して、船長の拘置期限となる19日ころにヤマ場を迎えると予測されています。どのような形で着地するかは別として、引き続き何度も何度も同じような事態が引き起こされることだけは間違いないでしょう。
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2010年09月17日

「円売り・ドル買い」の為替介入とは

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16日、4日間の東京出張帰りに立ち寄った名古屋。知人によるとトヨタに牽引されて景気は多少、回復しつつあるとか。それでも今回の円高はきつい。 

 政府と日銀は15日、円売り・ドル買いの為替介入に踏み切りました。6年半振りです。菅首相が再選された直後の14日は静観の構えで円高是正には消極的とされていましたが、翌15日に突然、意表をつく介入となりました。菅さんが意地を出しての介入です。それだけに市場には「サプライズ」観が強く、東京市場で円高・株安の流れにひとまず歯止めがかかりました。ロンドンやニューヨーク市場でも介入し、介入額は1日あたりで過去最大規模の2兆円超の規模とされています。

 日銀はその効果を高めるために、介入で出回る円資金を回収せずに放置する「非不胎化」を実施します。また日銀と財務省は、潤沢な資金供給によって必要なら今後も続けるとしています。為替介入の「非不胎化」とは難しい言葉です。介入で市場に出回った資金を吸収すれば「不胎化」、逆にそのまま資金を市場に残すのを「非不胎化」といいます。市場にお金が潤沢に出回って金利の低下が進み、円の価値が下がって円高抑制効果を高めることが期待できるのです。

 ただ現在のドルやユーロ安に対する異常な円高は、もともと米国や欧州の景気悪化を反映したもので、その根源が解消されない限り世界の投資家はより安心感のある円に投資する流れは解消されないでしょうね。しかも円が世界で取引される規模は1日当たり300兆円にも上る金額で、今回の介入額はいわば砂漠に水を撒く程度です。

 更に各国との協調介入ではなく、日本の単独介入だけに欧米からは違和感を持って受け止められています。また仙石官房長官が「1j=82円当たりが攻防ライン」と日本政府の手の内を見せるような発言をするなど、どうも腰がふらついています。
ATM

 ところで日本の通貨は、明治が始まるまでは「両」でした。明治政府がそれを嫌ってあたらしく「円」と名付けました。財務担当の参議だった大隈重信が、金貨を欧米流の円形にすることと十進法に改めることを主張して円が生まれたとされています。ただ「円」という呼び名には二説あります。大隈重信は最初「元」という名を提案しましたが、衆議で「円」に決まったという説と、重信自身が「みんな指で輪を作って金を表している」と衆議に押し付けたとの説です。

 ちなみに幕末の1両は、当時大量に日本に流れ込んできたメキシコ銀貨の1jとほぼ同じに通用したそうです。そして新しく生まれた「円」は、1円が1jにほぼ同じでした。つまり1両=1円で、「円」の切り替えは比較的スムースに進んだと言われています。

 「円」が誕生して約150年、グローバル経済の下でこれほど翻弄されると大隈重信は思っていたでしょうか。いずれにしても、しばらくはテレビや新聞の経済ニュースから目を離せません。
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2010年09月16日

東京銀座・数寄屋橋交差点、14日午後4時〜4時35分

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号外が届くと各局のカメラが集中し、街の声を収録し始める。多くの億万長者が生まれる宝くじ売り場(右) 

民主党代表戦は、予想以上の大差で菅首相の続投が決まりました。721ポイント対491ポイントの内訳を見ると、国会議員票は412対400でほぼ互角。対して地方議員票は60対40、党員・サポーター票に至っては249対51の大差でした。

つまり「政権交代から1年間で首相が3人も誕生すれば、日本が笑いものになって国際的評価を下げる」とか、「政治とカネ」の問題をめぐる批判など、ごく一般的な国民感情が追い風となったといえます。特別に菅首相の訴えが評価されたわけではなく、メディアが意図的に作った消極的な「支持」かもしれません。誰かが言っていましたが、永田町の常識と国民の常識がいかに乖離(かいり)しているかの証明です。
映画

さて選挙結果がでた14日午後4時前に、たまたま銀座の数寄屋橋交差点近くで仕事をしていました。そうですここ数寄屋橋は、こういった場合に一番早く号外が出たりメディアが「街の声」を聞く場所なのです。そこは野次馬根性マル出しのおっさんですから、交差点東北角の交番前に出掛けました。お巡りさんに聞くと、号外を撒く要員やテレビクルーなどは来ているが、号外はまだということでした。

新聞社の人に号外の到着時間をたずねると「4時半頃」の返事。各テレビ局も、号外が出て本格的に取材活動に動く様子でした。ただ海外向け配信のロイター通信だけが、積極的に街の声を収録していました。当方にもカメラとマイクが向けられたため、円高、株安、消費不振などで日本経済は危機的状況にあるのに、お山の大将争いをしている時ではない(現実にこの日の円相場は15年振りの1j=82円台となりました)。菅政権にはあまり期待はしていないが、「一にも経済、二にも経済、三にも経済」で、迅速に経済・景気対策を進めて欲しい。諸外国と比べ日本国民の不幸は、自国の宰相を自らの手で直接選べないことだ―など、いろいろ発言しました。まあ、海外のどこかのテレビに出ているかもしれませんね。

そうこうするうちに、やっと号外が届きました。やはり東京は読売新聞ですね。4時30分でした。写真のように早速、各テレビ局が号外を受け取る場面を撮り、街の声を集め始めます。その模様は当日及び翌日のニュース等で繰り返し放映されていました。それにしてもどうして日本のメディアは、取材手法など画一的なのでしょうか。ロイターのように時間をかけてじっくり意見を聞いたらいいと思うのに、各局とも号外が着くまで手持ち無沙汰でブラブラ、号外が届くとたちまち目の色が変わります。完全にパターン化しており、これが民意として全国に流されるわけです。ある面、長年に渡る日本独特の「記者クラブ」制などの弊害かもしれません。

ところでここ数寄屋橋には、億万長者が多く誕生する有名な宝くじ売り場があります。一枚500円の「宝くじの日記念」を10枚買い、有楽町駅に向かいました。午後4時35分、小雨がぱらつき、やっと東京も涼しくなりだしたようです。
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2010年09月15日

「トロンボニスト谷啓」

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 谷啓さんが11日急逝しました。78歳でした。12日の密葬では祭壇に、愛用のトローンボーンがおかれたそうです。ご承知の通り谷さんは、「ガチョーン」に代表される有名なコメディアンでしたが、同時にトロンボニストとしても一流でした。久方ぶり登場のITジャーナリスト四方夏己さんに、「トロンボニスト谷啓」を綴ってもらいました。
演劇

 クレージーキャッツはもともとがジャズバンドであり、メンバー全員がミュージシャンであることは広く知られている。故人となった順に紹介すると、ハナ肇はドラムス、石橋エータローはピアノ、安田伸はテナーサックス、植木等がギター、そして谷啓がトロンボーンであった。ちなみに生存者では犬塚弘がベース、桜井センリがピアノである。

 それぞれがなかなかの腕達者であり、全盛期にはスイングジャーナル誌の人気投票などでも上位を賑わせていた。その中でも評価の高かったのが谷啓のトロンボーンで、日本のトップジャズメンとして世界に通用する腕前であった。クレージーキャッツがコメディーの世界で脚光を浴びるにつれて音楽の練習量が落ちる中、谷啓のトロンボーンの腕は落ちなかった。

 谷啓という名は、米国の伝説的コメディアンとして知られるダニー・ケイをもじったらしいが、ダニー・ケイが主演した「五つの銅貨」は素晴らしい映画だった。コルネット奏者レッド・ニコルズの半生を描いたものだが、ルイ・アームストロング役には本物のルイ・アームストロングが登場、そのトランペットとダミ声は圧巻であった。きっと谷啓もダニー・ケイの「五つの銅貨」を何度も観たことだろう。

 今調べると「五つの銅貨」の日本公開は1960年1月とのことで、トロンボニスト谷啓は28歳の伸び盛り。ジャズ・トロンボニストとしてJazz史に燦然と輝くJ.J.ジョンソンも全盛期で、楽器の構造上速いパッセージが苦手というトロンボーンの弱点を克服して圧倒的な演奏を聴かせていた頃だ。谷啓もJ.J.を強く意識していたことはまず間違いのないところで、その演奏スタイルにはJ.J.を感じさせるところがあった。

 最近では、NHKの教養番組「鑑賞マニュアル 美の壺」の谷啓がなかなか良かった。骨董を愛する好々爺という設定からは「俳優・コメディアン 谷啓」のイメージが強いが、往年のジャズファンにとっては、日本を代表するトロンボニストであったことを付け加えたい。合掌。
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2010年09月14日

オフィスビルの地下にある野菜工場を見学しました

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工場はあいにくのリニュアールちゅうでしたので全容が映せません。左から「ヴェルデナイト」土、プランターで育つみずみずしい野菜、辛味大根をどうぞ
 
酷暑で生鮮野菜などは大変だと連日、メディアが生産者とレストランや一般消費者の声を流しています。日本の農業はこういった異常気象に加えて、高齢化の問題もあります。日本だけではありません、世界で農場の争奪戦が激しくなっているそうです。日照りや水問題、害虫などに影響されない農業はないものかと。

大阪市中央区にある大手商社丸紅大阪支社の地下にある「屋内野菜工場」は、そういった悩みを解決する一方策として注目を集めています。「えっ、オフィスビルの地階で野菜栽培だって?また冗談を」と思われるでしょうが、新聞やテレビでも広く紹介されたように地下2階にある60坪の会議室をリニューアルした植物栽培室には、色んなみずみずしい野菜が育っています。当方、この歳になっても好奇心の塊ですから、これまで3回もお邪魔して見せてもらいました。

正確には「人工土壌ヴェルデナイト」なるものを活用した植物工場です。保水性のあるビートモスと、モンモリロナイトという保肥性のある粘土物質のそれぞれの長所を組み合わせたのが有機栽培天然土壌資材の「ヴェルデナイト」です。とにかく水も肥料も少なくてすむ、ノンケミカルな“理想の土”とされています。一般培土と比較すると重さが11分の1、保水力10倍、保肥力50倍ですから、水やり・施肥の量や回数が少なくてすむわけです。農業はもちろん、屋上緑化や砂漠緑化でも可能で、すでにアラブ首長国連邦などでは砂漠緑化で活躍しています。

さて肝心の野菜栽培ですが、ヴェルデナイトが入った70a×460a×深さ12aの大きさのPP製専用プランターが可動式ラックに何段も重ねられ、そこに人工照明として蛍光灯やLEDライトが当てられ、短期間で高品質の栽培が可能となっています。またこれまで屋内水耕栽培は、水菜やレタスなど葉物が中心でしたが、この土を使った栽培法では、大根やゴボウなどの根菜も可能だそうで、しかも味や香りの濃いものができます。あるパン屋さんがラディッシュとイタリアンバジル入りのチーズパンを焼いていますが、チーズのパン生地に負けない濃厚な野菜の味が好評だと話しています。

特徴をまとめてみると、@害虫や菌の侵入が防げるので完全無農薬・有機栽培が可能A天候に左右されずに最適な温度と生育環境が保て、生育期間も3〜7割早めるB野菜から果樹、花卉までいろんな植物が栽培でき、水耕栽培より味も香りも濃いものが可能C建物の高さがあれば何段でもプランタンを重ねることができ、空間の活用が有効などです。つまり露地栽培の場合、多品種栽培、有機肥料による栽培、節水農業といった形での困難さがありますが、これを克服できます。また農場の移動、無農薬栽培、一定面積あたりの収穫量の増加、外部環境を問わない安定・定量生産などによって、地産地消型農業で輸送コストやエネルギーが節減できます。

ただ課題もあります。畑があればそこはただですが、当然投資が必要です。栽培日数の短縮、省エネ技術、美味しさの向上などでカバーするとしても、投資金額の回収は大変です。それ以上に問題なのは販路です。丸紅でも、毎日のように全国から見学や問い合わせがあるとします。確かに繊維会社など全国にはたくさんの遊休工場がありますが、最終的なネックはどこに安定的に売るかという販路の問題です。食品スーパーや大手レストランなどが取り組む手もありますが、市場に定着するまでには、栽培を経ての加工と販路のネック解消が緊要となっているようです。

とはいえ見学の際に、いつもラディッシュやチマサンチョ、レタスなどを直接抜いてそのままいただきます。また辛味大根も一緒に見学した人が家に持って帰って食べたら、実においしかったといいます。実は丸紅の植物工場、毎日多くの新鮮野菜ができるため、その処理に困っているそうです。近かったらもらいに行くのですが。ただそんな個人ユーザーに情報です。植物栽培システムのトライアルキットというのがあります。土であるヴェルデナイトと栽培ラック3段、そしてユニットプランタン6個などがついて1セット38万円(組み立ては各自)です。同じ内容でしっかり栽培ケースに入ったものは120万円です。

農園を持たない都会人にとって、自宅の部屋で新鮮に育つレタスやパセリ、ラディッシュ、ブロッコリー、チンゲン菜、エゴマ、ミント、スイートバジル、ゴボウ、オクラ、ナス等々の成長に癒さる。それが食卓に並ぶ。そんな生活を考えてもいいかなと思いますが。
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2010年09月13日

中国ビジネスでの詐取容疑事件、お先棒をかついだメディアも問題

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メディアは中国報道に関しても手抜きをしない正確な取材が基本にすべきだ

 ついに刑事事件に発展し、大阪地検特捜部が詐取容疑で家宅捜索や任意の事情聴取に乗り出しました。中国に生産拠点を持つある婦人服アパレル会社と、そこの女性社長のことです。

 彼女はここ20余年間、中国ビジネスで成功した「美人カリスマ女性社長」として新聞、雑誌、ビジネス書、テレビなどにたびたび登場し、民間はもとより官公庁が主催する講演会やセミナーでも引っ張りだこでした。その論調は一貫しており、「中国ビジネスを語れるのは私以外にいない。私に相談すれば必ず成功する。私以外の人はうそばかり」でした。

たとえばある講演会に、彼女ともう一人の講師が呼ばれたとします。一人の講師の後で登壇した彼女は開口一番、「今の講師の話はうそです」とやってしまうのです。その講師が目の前にいても平気です。とにかく人をこき下ろして、その対角線上に自分が存在する手法です。

 香港で輸出業務の貿易会社を設立した後、25年ほど前に大阪・中央区に現企業を設立して、上海や北京に婦人アパレルの生産拠点を持って事業展開していました。中国の工場は「OEM」といって相手先ブランドの生産、わかりやすく言えば賃縫製に近い仕事ですから、相当な数量を生産しても売り上げや利益はタカが知れています。それでも他社の中国事業サポートなどを含め、最高時には公称で年商900億円といわれていました。

 大阪と東京に夜景が見渡せるタワー・オクション、中国で泊まるのは釣魚台国賓館。北京と上海の空港には専用の特別室があり、大阪のシティホテルではお歴々を集めて彼女の誕生パーティを開くなどの風聞が飛び交い、この世の春でした。3年前には、大手出版社から彼女の中国ビジネスにかかわる本が出版され、紀伊国屋など書店の大きな外壁には彼女の等身大以上のポスターが長期間飾られていました。

彼女と会社の実態が初めて暴露されたのは、昨年12月のある週刊誌です。「みずほ、三井住友など大手銀行を手玉に取った中国ビジネスのカリスマ美人社長。第二の尾上縫事件」云々でした。尾上縫事件とは、大阪の高級料亭「恵川」の尾上女将が、1990年代初に東洋信金(倒産)や日本興業銀行(みずほ)などの金融機関を巻き込んで4300億円を焦げ付かせた巨額の金融詐取事件です。実は4300万円まではいかないまでも、同社とその関係会社は、都銀大手や地銀数行に対し総額300億円を超える融資を受けており、その大半の返済が滞っているとされていました。

 ところがこの週刊誌でも暴露されていましたが、金融機関から矢の催促があったそのころにも彼女は、「賢者の選択」というテレビ番組に堂々と中国ビジネスの賢者として出演していました。さすがにこのときは、出るほうも出るほうだが出すメディアも異常だと「賢者の選択は」はひんしゅくを買いました。

 しかし今年4月、大阪地裁で民事再生手続きの決定を受け事実上倒産しました。負債総額は360億円です。ただ現在も中国の工場は稼働しており、日本や中国の空港で、彼女の姿をよく見かけるとの声を聞いていました。そんな中、先週大手一般紙の社会面トップで、「中国事業で数億円詐取か」として冒頭紹介した記事が載ったのです。その内容は、女性社長らが経営悪化の事実を隠して同社が順調であるかのように装い、中国で展開する事業への資金協力を大阪市の衣料卸会社に依頼し、現金数億円を詐取した疑いがもたれています。今年4月に、その卸会社が彼女を詐取容疑で特捜部に告訴していたのです。

何故ここまで彼女が天上を謳歌することができたかですが、まずは彼女が人を信用させる、それも「爺さんをイチコロにする」という天性の能力でしょう。都銀や地銀大手の融資は大半が頭取などによる特別決済とのうわさも、その辺を根拠にします。金融機関に限らず、表面化しない色んなビジネスにかかわる問題も概ね彼女の営業トークが土台になっているはずです。

しかし一方で、彼女を「中国ビジネスのカリスマ」と祭り上げた周囲の、それもメディアの姿勢を無視することはできません。とりわけある繊維専門紙などは異常でした。ことあるごとに紙面に登場し、自薦他薦で日本各地のセミナーや講演会でしゃべらせます。当然、紙面には同社の広告や出版された書籍の広告が載ります。同社だけではありません、先週社会面トップで報道していた新聞でも、書評欄ほかでたびたび彼女は紹介されたり広告も掲載されていました。

ちょっと考えれば、そのビジネス手法は理にかなっておらず、異常だと気づくはずです。現実に多くの繊維人が、彼女のビジネスに警鐘を投げかけていました。情報源の危うさや取材を手抜きするどころか、逆に大風呂敷の先導役を務めたメディアの立場にこそ、一番の問題があるといっても過言ではありません。当方が関係するメディアや団体は、彼女にとっては「素人でしかもウソつき」の部類だったために、幸か不幸か周囲に一切の迷惑をかけなかったと自負しています。今回の騒動を「もって他山の石にすべし」と肝に銘じています。
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2010年09月12日

様変わりするサラリーマンの酒の飲み方と酒場

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会社の近くのあちこちに、こういった看板を掲げる店が増えています

 10年ほど前までは、職場で「ちょっと一杯どう?」と誘って、断ったり断られたりすることはほとんどありませんでした。しかし今は、若い人ほど簡単に「きょうはどうも…」と申し訳なさそうにするのはごくまれで、あっさりと「だめです」と断ります。そういう時、年寄りや先輩社員の多くが、一緒にのみに行くのも職場のコミュニケーションのひとつなのに付き合いの悪い人間だと不愉快に思うでしょうね。

 しかしそれは、誘った側の勝手な言い分だと悟るようになりました。今の社会、やはりプライベートの時間を大切にする風潮にあり、若者ほどそれを重視します。確かに酒の席のほうが腹を割って話せて、本音も聞けます。だからより信頼関係が築けるかもしれません。かといって、一緒に飲みに行く人とだけは良好な関係が保てて、飲みに行かない人とは信頼関係がないとなるとまた困ります。

結局、職場での人間関係は、職場で築くべきなのでしょう。第一、職場でまともなコミュニケーションがとれないのに、酒の席でまともな人間関係が築けるはずがありません。でもまあ、たまにはみんなで楽しく飲みに行って、がやがやとやる「ノミニケーション」も悪くないと思います。意外な話が聞けるときもありますから。
ビール

そういった社会風潮だけでもないでしょうが、とにかく若者や高齢者のアルコール離れが進んでいます。不況がそれに追い討ちをかけています。ビール大手5社がまとめた今年1〜7月のビール系飲料の出荷量は、前年同期比3.3%減です。ただ8月は前年8月比0.3%減でした。08年8月の8.8%減、09年8月の6.0%減に比べて今年は0.3%まで縮小し健闘したとの見方もありますが、これは猛暑による押し上げがあったためです。

逆に各地で観測史上最高の暑さを記録した割には、伸び悩んだとの印象もあります。気温が高くなりすぎたために、ミネラルウオーターなどのよりさっぱりした清涼飲料に飲まれたとの分析です。実際、8月の清涼飲料は前年同月比12%増と大幅に伸びています。またウイスキーを炭酸などで割ったハイボール缶は、なんと前年実績の40倍に拡大しています。
もうやだ〜(悲しい顔)

会社の周囲をちょっと見回しただけでも、写真のような店がどんどん登場しています。共通するのは、まず値段が圧倒的に安いデフレ対応型です。8周年記念もあるでしょうが、ハイボールを何倍飲んでも一杯88円の店、さらにはエビスビール200円や、焼酎ボトル「1380円を無料」といった看板も出ています。同時に、わいわいがやがや型ではなく、小人数やOLたちだけを狙った個室ショップの増加です。ビルの地下に構える飲み屋さんの多くが、そういった個室や小人数対応の店構えです。

対して、おっさんたちが寛げるカウンタータイプの飲み屋さんはどんどん減っています。まあこれも時代でしょうか。
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2010年09月11日

大阪・難波宮跡で18、19日に「中秋明月祭」

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「露従今夜白、月是故郷明」(“露”は今夜より白く、“月”は故郷が明るし)。春節(旧正月)に次ぐ中国の二大節句とされるのが「中秋節」(Zhongqiujie)です。今年は9月22日がその日に当たります。
満月

中国ではむかしから、皓月(こうげつ)という明るい月が夜空にかかる美しい景色の下でこの日、家族や友人が集まり杯を傾けて幸せを謳歌してきました。お酒が飲めない子供や女性は月餅や果物を食べながら満月を鑑賞します。また遠く離れた人々を思い、ともに同じ時を楽しみ祝います。家族団らんを意味する「団円節」(Tuanyuanjie)とも言われます。

関西でも昨年初めて、この時期に中国駐大阪総領事館などが音頭を取って、「中秋明月祭」なるものが開かれました。そして今年は中国人関係者だけではなく、“関西と中国の「和=輪」をつなごう”をスローガンに、関西地域の市民との交流を重視した「中秋明月祭 大阪2010」が18(土)、19(日)の両日、大阪市中央区の難波宮史跡公園で開催されます。

このため大阪、神戸、京都の各華僑総会などが実行委員会を作って準備し、各自治体や商工会議所、経済団体などが後援しています。両日とも中央舞台では、中国から来た芸術団の公演、太極拳、龍踊り、舞獅隊、チャイナドレスファッションショーなどとともに、河内音頭、沖縄エイサー、阿波踊りなど、何でもありです。

飲食コーナーも、食の国中国と食道楽大阪をミックスして多彩です。例えば中国から招聘した「刀削麺」、関西地区有名中華料理店の各種飲茶、点心類、さらに関西の有名ラーメン専門店、お好み焼き、たこ焼き、ホルモン、串かつ等々何でもござれです。

こういった中で目玉は、「プーアール茶」と「中国義烏市による日用品展示」です。雲南省の南に位置するプーアール市は2000年の歴史を誇り、お茶の起源である「ティーロード」の出発点です。特有の香りと熟成風味を持つ同茶は、伝統の製法で作られる代表的な中国茶です。最近は美容・健康効果があるとして、日本でも話題をよんでいます。

一方、浙江省の義烏(ぎう)市にある世界最大の日用雑貨卸売市場は、常設ブースが8万軒、170万種類以上の商品が扱われています。世界218カ国に輸出し、中国全土はもとより欧米や日本、アフリカなど世界50数カ国の商品館があり、1日の訪問客は20万人を超える怪物市場です。とにかく日用雑貨でないものはないとされ、日本の「百均」などは大半がここからの仕入れます。昨年の同市場での取引高は邦貨換算で約5600億円、百均に並ぶ商品などが多い中でのこの金額ですから、とてつもない規模です。中秋明月祭では、義烏から30数軒の卸問屋が来ておもちゃ、アクセサリー、かばん、衣料小物、文具、スポーツグッズなどを販売します。

このほかにも中国語、中国舞踊、中国民族音楽、太極拳の教室や講座などの紹介コーナーなども設けられています。上海万博のPRブースなどもありますから、さしずめ万博のミニ中国館とでもいいましょうか。もちろん入場無料で、雨天決行です。
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2010年09月10日

疲れたとき、小腹がすいた時はチョコレートを

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コンビニで買ったチョコレートと、オフィスに置いてあるスタンド

むかしから辛党と甘党は裏返しというように、辛党といいながら実は甘いものが大好きな人が意外と多いですねえ。かくいう当方も本音は甘いものが好きですが、体重のバランスを考えて我慢しています。特に疲れた時など、無性に甘いものが欲しくなります。
もうやだ〜(悲しい顔)

疲れたら甘いものが欲しくなるという経験は辛党、甘党関係なくありそうですが、ではどのような甘いものが脳の刺激にはよいのでしょうか。最適なのはチョコレートだそうです。チョコレートの糖分は、血糖値を上昇させて脳を活性化します。一方で脂肪は、それを長時間持続させます。

穏やかな血糖値の上昇は体にもよく、長時間の血糖値の維持はそれだけ脳の活性化を保つわけです。またチョコレートには脳をリラックスさせる成分も含まれており、まさに一石二鳥です。写真のようにコンビにでも、「夕方からの頑張りに!一本満足」とか「きゅっと詰まって満足感!デスクの朝食」といったチョコケーキ・バーがたくさん並んでいます。

ところでチョコレートといえば、板チョコやこういったチョコ・バーが現在では一般的ですが、もともとは飲み物のことでした。初めてチョコレートを作ったのはメキシコのある原住民で、カカオの木の種であるカカオ豆を砕いて煮た汁を冷して、いろいろな香料を混ぜたり、コショウで味付けして飲んでいました。メキシコ語で「チョコラル」と呼び、苦い水の意味だったそうです。

原住民が神からの授かりものとして、力が体にみなぎり病気にかからない飲料として愛用していたこの苦い水をスペインの探険家が知り、実際に疲労回復に役立つとして、しだいに飲むようになったそうです。ただスペイン人はコショウ味になじめず、カカオ豆と同じ分量の砂糖を混ぜて新しい飲料を考案し「チョコラーテ」と命名、やがて英語圏に入って「チョコレート」となりました。

チョコレートはカカオ豆を炒って芯だけを残し、これを細かく砕いて石臼でひくうちに油が含まれたどろどろの液状になります。このまま固めると苦いプレーン・チョコ、牛乳や砂糖を混ぜて練るとスイート・チョコです。1880年頃にスイスで板チョコが考案され、日本にも明治初期に入ってきました。しかし本格的な普及は大正時代だそうです。余談ですが1800年代前半にオランダのヴァン・ホーテンが、チョコレートを水や牛乳と溶けやすくするために脂肪分を取り除いたのが、現在の粉末ココアとなったのです。

なお、眠気を防ぐにはガムが最適といわれますが、これもガムを噛むことで脳への血流が増す作用によるものです。更に噛むことで筋肉が収縮して、脳に刺激を与えます。つまりガムは眠気をさまし、集中力アップに役立ちます。ちょっと小腹が空いたり、疲れたり、眠くなった時にはチョコレートかガムを口に入れればいいのです。

そういえばオフィス内に、100円で買えるスナック菓子のスタンドをお菓子メーカーが設置、定期的に入れ替えしています。その中身を見るとガムやチョコレートが中心です。ただ夏場は溶けるために、チョコレート類は少なくなっています。そこでこのブログ用に、わざわざコンビニでチョコレートを買ってきました。合計820円。ひとつも食べないのに、トホホ。
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2010年09月09日

赤道直下より暑い国・日本、こまめな水補給を

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まだしばらくはこの暑さが(東京・池袋で)、当方は「ナチュラルミネラルウォーター」を愛飲しています

昨日、オフィスにタイ・バンコクに30余年間赴任しているアパレルの社長さんがバングラディシュの方を同道してお見えになりました。「大阪と比べていかがでしょうか?」の問いに、「この暑さ、とにかくまいりました。バンコクも33度ほどですが、蒸し暑さが違いますよ」と社長さん。そういえば先日会ったインドネシアから一時帰国した紡績会社の人も、「ジャカルタよりはるかに暑く感じる」と汗を拭いていました。中国の上海は日中、30度だそうです。

昼食時の食堂で、おかみさんがぼやいていました。「孫が通う保育園、クーラーどころかまともに扇風機もない。お母さんたちと一緒に、区役所と教育委員会に抗議に行く」と目を吊り上げていました。あるお客が「そういえば子供の学校は、運動会の練習がさっぱりできず、運動会が延期になった」と相槌を打っています。

いま日本全国でこんな情景が見られるでしょうね。きのうの台風、関東のようなドシャブリまではいかないまでも、関西地方の暑さを持って行ってくれる恵みの雨と期待していましたが、早々と北陸方面に行ってしまいました。ちなみに今年の台風は、大半が裏日本経由になりそうだと気象庁は予報しています。もう少しだけ、大阪でもこの暑さに耐える必要があると覚悟しています。

そこで新聞に載っていた「熱中症対策7カ条」。@こまめに水分を補給するA運動開始時にはコップ1〜2杯の水を必ず飲むB日陰を選んで歩くC日傘や帽子で日差しを防ぐD扇風機やエアコンを使うE吸湿性や通気性の良い服を着るF十分な睡眠と朝食をとる。どうです、守っていますか。

ところで@の水分に関しては、やはり「ミネラルウォーター」が主役です。現在、コンビニなど店頭に並ぶミネラルウォーターは国産、輸入品を合わせて500銘柄を超すといわれていますが、農林水産省の品質表示ガイドラインによって大きく4グループに分類されます。

各グループの違いと特徴ですが、第1グループは「ナチュラルウォーター」。特定水源から採取した地下水で、沈殿、ろ過、加熱殺菌以外の物理的・化学的処理をしていないものです。第2グループは「ナチュラルミネラルウォーター」です。1グループと同様に特定水源の地下水ですが、地下で滞留または移動中に地層中の無機塩類が水に溶解したものを原水にしたナチュラルウォーターです。

 第3グループの「ミネラルウォーター」は、第2グループを原水としますが、品質を安定させる目的でミネラル分の微調整や複数の水源から採水した第2グループの混合などが行われたものです。そして第4グループが「ボトルドウォーター」。第1〜第3グループ以外の飲用目的の水で、原料は安全な水なら何でもよく、スーパーなどの安売りコーナーに並ぶのは大半がこのボトルドウォーターです。

 4グループのうち、もっとも“自然の水”に近いのは第2グループのナチュラルミネラルウォーターといえるでしょう。空から降った雨や雪が地中深くに染み込んで、幾層もの地層がフィルターとなってろ過されながら、土壌のミネラル分が溶け込んだ地下水が原料だからです。ちなみに輸入品の代表格の「エビアン」などもこの仲間です。皆さんはどの水を飲まれていますか。
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