2010年09月27日

「消費の退化」とは、どのような現象を意味するのでしょうか

DSC01406.JPG「ユニクロ」の驚異的成功の背景は、「経済の衰退と若者の感性圧縮による消費文明の退化にある」―日本のファッションビジネスのリーダーのひとりで、小島ファッションマーケティング代表の小島健輔氏は、近著の「ユニクロ症候群〜退化する消費文明」で言い切ります。

小島さんはユニクロの急成長の成功は、ファーストリテイリング会長兼社長の柳井正氏の経営力の素晴らしさによると認めつつも、市場の変化も大きいと指摘します。市場の変化とはバブル経済崩壊後、若い人たちの可処分所得が減少し、生活水準が下がって質素になったことを意味します。この結果、若者中心に今の消費者には夢や理想がなく、個性やバラエティに富んだ服を選ばず、皆と同じで背伸びをしなくなっていると分析します。クルマも時計も家も皆が理想を抱かなくなる、消費の「退化」が進んでいると強調します。

そこに「アパレルは生活のパーツだ」と明言するユニクロが登場、ファッションにロマンを持ち込まず、機能を前面に打ち出して大成功します。つまり、「退化する消費」と「理想を追わないモノ作り」が見事にマッチィングしたというのです。

一方で小島さんは、「退化する消費」にはデジタル文明の影響もあると指摘します。若い人が、携帯の画面で服を買うことに躊躇しない風潮を嘆きます。考えてみれば携帯に表示される圧縮された小さな画像データには、服を購入する際に常に意識する触り心地、色合い、実際に着用した際のシルエットなど皆無です。筆者は「常に圧縮されたもので満足をしてしまう完成に危機感を感じる」と嘆きます。

小島さんによると日本企業はこの間、小技を用いてマイナーチェンジに頼ってきたため、米国のアップルや韓国のサムスン電子のように大胆なデザインやコンセプトの新製品を世に出すことができなくなっていると強調。これも「消費が退化」し、完成が萎縮しているからではないかといいます。一方でメーカー自身、「モノが売れないと嘆くのならば、まずは自ら感性を磨く必要がある」(小島氏)のでしょうか。

昨年10月に同志社大学の浜矩子教授が、ある雑誌で「ユニクロ栄えて国滅ぶ」なる論文を発表して物議を醸しました。両氏の分析には多少の違いはありますが、衰退する日本の消費構造を歴史的な変化の中で捉える視点は似通っています。

10月1日、大阪心斎橋に日本で一番大きいユニクロの「グローバル旗艦店」がオープンしますが、それに先立つ9月29日、同点で記者会見やパーティが予定されています。柳井氏も出席すると聞いており、機会があればその辺りをうかがってみたいと思うのですが。
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2010年09月26日

孔子の故郷、中国山東省の駆け足旅行@

DSC01418.JPGDSC01427.JPG 街に張り出された新聞などには確かに大きく尖閣諸島の記事はありますが…(写真左)。急に寒くなり服装もちぐはぐ(同右)

 昨日から孔子の故郷、中国は山東省に来ています。省都の済南市で明日から始まる「第3回山東省文化産業博覧交易会」の視察です。例の尖閣諸島問題、菅首相の「してやったり、スマートな外交だろう」との思惑が完全に外れ、中国は「謝罪と賠償」などかさにかかって理不尽な攻撃を仕掛けています。ただ居丈高なのは、中国の外務省やメディア、そして若者たちの不満の捌け口となっているインターネットだけで、大半の国民は正直「釣魚台(尖閣諸島)?それって何?」といった反応です。

 それよりもほとんどの国民の気持ちは、中秋節と10月1日からの建国61周年を祝う国慶節が重なる大型連休が支配しています。この土日は会社も学校も振り替え出勤・登校ですが、最低5日間、中には8日間の大型連休の話題でいっぱいです。済南市は先週初から寒波が襲来して一気に寒くなっていますが、それでも日中は半そで姿も見受けられます。

 ところで、ここ山東省は料理の宝庫です。四川や江蘇、福建などと合わせ中国八大料理といわれますが、中でも山東料理は北京料理や宮廷料理の源流とされており、コックさんたちは包丁を使わせたら中国一と言われるほど手先が器用です。現在の山東料理は大きく「済南料理」、孔子の生地である済寧市曲阜(きょくふ)を中心とした「魯菜」、そして青島などの「海鮮料理」の3つに分けられます。全体として辛口ですが、済南料理の場合豊富な新鮮野菜がベースになっています。昨晩も、これら料理をあてに50度を超す白酒で何度も「乾杯」をしたことは言うまでもありません。
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唐の玄宗に学ぶ「ヒーローはあまり格好よすぎてもだめ」

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西安の碑林(写真右)と中心部から左手に鐘楼を眺める

唐の第6代皇帝の玄宗(げんそう)は前半の善政と後半の堕落によって、その功罪を評価するには非常に難しい人です。つまり治世の前半は非常に優れた手腕を発揮して、後世に「開元の治」と呼ばれる善政で唐の絶頂期を迎えました。しかし後半は、楊貴妃を寵愛したことで安禄山らによる「安史の乱」の原因を作っています。

次のクイズは、前半の手腕を発揮していたころが設定です。ある大臣が、人事について玄宗に相談に行きました。今の会社でいえば課長クラス人事でした。ところが玄宗はまったく相談に乗ってくれません。思い余って大臣が玄宗に尋ねたところ、玄宗はどう答えたでしょうか。3つの中から選んでください。
@皇帝がイエスといわないのは、ノーの意味だ。
A課長クラスの人事に私が口を出すべきではない。
B人事は衆議によって決めるべきだ。一人で来るとはけしから ん。

 回答は後で解説するとして、玄宗がどうして後半になって堕落したかです。政治を疎かにしだしたから、息子の嫁さんだった楊貴妃を奪って後宮に入れるなどで遊興にふけったのか、それとも美貌の楊貴妃に溺れて政治が疎かになったのでしょうか。ただ玄宗が楊貴妃を見出したのは55歳の時、当時でいえば完全なおじいさんです。長恨歌では「これより皇帝は朝早くには朝廷に出てこないようになった」と歌われていますが、考えてみれば朝から政務に耐えられる年齢ではありませんよね。余談ですが、豊臣秀吉が淀君に目をつけ、淀が長男鶴松を生んだのが秀吉52歳の時です。どこかよく似ていますね。

さてクイズの回答は、Aの「課長クラスの人事に口を出すべきではない」です。いま風に言えば「権限委譲」の発想で、部下を信頼していました。こうした政治姿勢が多くの優れた部下を育て、長く平和が維持されました。しかしあまり平和が長く続いたものですからやがて政治に飽きてしまい、そこで息子の嫁の美貌に溺れて政治をおろそかにするようになったというのが一般的です。

もっとも玄宗の治世で唐の絶頂期を迎えたとはいえ、その理想はくずれつつある律令政治のほころびをつくろったにすぎません。農村は窮乏、財政はゆとりをなくし、均田制や府兵制などの諸制度も崩れ始めていたのです。政治をおろそかにするようになるのも、必然だったかもしれません。やがて「安史の乱」が起こって都を追われ、楊貴妃を死刑にせざるを得なくなるのです。

結論から言えば、玄宗は少々格好よすぎたのかもしれませんね。だから格好のいい政治をして、女性にもててやがて挫折する。「ヒーローは、あまり格好よすぎてもよくない」というのが教訓です。

ちなみに中国の西安を旅すれば、兵馬俑、三蔵法師がインドから持ち帰った経典などを納める大●塔(●=がん、雁のイ部が小)、陝西歴史博物館、城壁、碑林等々、歴史遺産満載です。その中で玄宗関連も豊富です。楊貴妃に関しては彼女専用の湯殿である華清池が有名ですが、西のほうに少し行くと楊貴妃を死刑にしたという木も立っています。完全なまゆつばモノですが…。


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2010年09月25日

大リーグと大相撲にみる大記録

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 アメリカで生まれた野球で日本人が新記録を樹立するかと思えば、日本の国技といわれる大相撲でモンゴル人が記録更新を目指す。いやはや面白いものですねえ。
野球

 イチロー選手がついに、アメリカ・大リーグMLBで10年連続の200本安打を達成しました。もちろんMLB史上初です。日本では新聞の号外も出ました。ただ「200安打・10回」ということでは、ピート・ローズと並びタイ記録です。しかしメジャーリーグで通算24年間プレーして10回達成したピート・ローズに対し、イチローはメジャー在籍10年で10回ですからまさにパーフェクト、同じ10回でもその濃さは比較になりません。

 今回のイチローの偉業に対し、ピート・ローズがやっかみ半分で言います。「彼は幸運な選手だ。1年のうち内野安打が3割占めるシーズンが何度もあるんだから」。確かにホームランはもちろん、外野に打ち返すクリーンヒットは打つ人、見る人を気持ちよくさせるかもしれません。しかし内野安打は脚力がなければ成功しません。それが証拠に、ピート・ローズが24年間で198回盗塁したのに対し、イチローは昨年までの大リーグ9年通算で341回ですから、これも比較になりません。

 このやっかみと思しき発言を意識したかどうか定かではありませんが、200本10年連続を達成した直後の会見でイチローは、ピート・ローズの記録に並んだがの質問に、「ぜひ超えてあげたい」と、サラッと応えました。この辺も、何事にもアグレッシブだったピート・ローズと対照的です。ちなみにピート・ローズは1989年にメッツの監督として在任中、野球賭博に関与して永久追放され、いまもなお野球界に復帰できていません。

 ただ記録ホルダーのイチローが、これだけはピート・ローズを抜いてトップに立てそうでないのが通算安打です。イチローは先に、大リーグ通算2000本安打を達成しましたが、ピート・ローズは4256本です。もちろんイチローが日本で打った1278本を加えればすでに3300本を超し、今後ピート・ローズの記録を抜くことは不可能ではありません。しかしそこはMLBのメンツもあります。4256本に対置するイチローの記録はあくまでまだ2000本強で、現在36歳のイチローが抜くためには今後45〜46歳まで毎年200本近く打つ必要があります。この点は、ピート・ローズも安心しているでしょう。念のために、日本のプロ野球NPBでも安打の通算記録は張本選手の3085本で、日米通算3300本のイチローではありません。
わーい(嬉しい顔)

 かたや野球は本場米国で日本人の活躍ですが、こなた大相撲はモンゴル人の白鵬です。横綱白鵬が60連勝の大台に乗りました。ただイチローと違って白鵬は歴史上の人物との勝負ですから、ちょっと勝手が違います。59連勝で明治時代の横綱・初代梅ケ谷を抜いて歴代単独3位に立った後は、いよいよ230年ほど前の1782年に63連勝した横綱・2代目谷風です。そして残るは昭和14年(1939年)1月の史上1位、双葉山の69連勝への挑戦です。

 国技や歴史という重圧、それも外国人ですから二重の意味で白鵬にはプレッシャーがあるはずです。しかも、ふがいない大関を始めとした上位陣の体たらくで「ひとりの大横綱とその他大勢」と揶揄される現状です。「勝って当たり前」ですから三重のプレッシャーかもしれません。それでも日本人以上に日本人的な白鵬、しかも心技体の三拍子群を抜いています。よほどのことがない限り、来場所に70連勝を達成するはずです。

 ところで国技館などで力士が通る通路を花道と言いますが、どうして花道でしょうか。この名の由来は、ファンがひいきの力士に花を贈ったからだとの説もありますが、力士自身が髪に花を飾って登場したというのが一番有力です。遠くは奈良時代から平安時代にかけて、節会相撲といって天皇が宮中に力士を集めて相撲大会が盛んに開かれました。この節会相撲では、東方の力士は葵の花、西方の力士は夕顔の花をつけて登場したそうです。想像するだけで色気があって面白いですね。もっとも白鵬が咲かすであろう大輪の花も待ち遠しいですね。
ちっ(怒った顔)

ところできょうから、中国は東北地方の山東省です。省都の済南市中心に、3泊4日です。親日派の多い東北地方ですが、緊迫する日中情勢だけに、変なところをカメラに収めて拘束されないよう気をつけます。
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2010年09月24日

 東京品川区「大井町」ってどんな街?

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写真左から立会道路入口(猫の像が目印)、岩本米菓のおばあちゃん、ご主人夫婦 

品川区の南東部にある大井町(おおいまち)。かつては日本光学(ニコン)や三菱重工、さらには鐘紡など大手の工場もありましたが、あくまで中小企業の街でした。現在も「光学通り」のニコンを始め中堅大手のオフィスに通う昼間人口は結構多く、またJR京浜東北線や東急大井町線が発着する大井町駅周辺と東部の池上通りは商業地で人が集まります。しかし全体としては、約25,000人の住宅地の匂いを濃くしています。

 ここに、お世話になっている会社の東京支社があるため、ちょくちょく出かけます。そのオフィスは、駅前から通じる立会道路(たちあいどうろ)という珍しい名前の通りにあります。大井町から西北にある目黒区の碑文谷池を源流に東京湾まで流れる立会川に蓋をして、下水道として整備された川の上に作られたのが立会道路です。かつては悪臭のきつい二級河川だったそうですが、水質改良と並行してほとんどを暗渠にし、一般道や花と緑の緑道に整備しています。

 ところで今週末の土曜日、ここ大井町がテレビに取り上げられます。テレビ東京が夜の9時から45分間放映する地域密着の情報バラエティ番組「出没!アド街ック天国」で、愛川欽也らが司会をしています。関西でもテレビ大阪で同時刻に見ることができます。大井町にあるユニークなグルメショップや小売店を紹介するそうで、とりわけ従来はオヤジたちでにぎわっていた大井町の横丁酒場が、酒好き女性の楽園に変わりつつある現状をルポするとしています。

東京支社の女子社員が、あるイタリアンで昼食中に撮られたといい、また支社のすぐ隣にある「大江戸鎧せんべい」の岩本米菓さんが取り上げられるということで、ちょっと興味を持ちました。同店は60年前の創業以来、あられやおかきを伝統の手焼網焼き方法でじっくり時間をかけて焼き上げています。2代目となるご主人の岩本さんは、「生産工程はもちろん、原料は極上のうるち米、小豆島産にこだわった醤油で味付け、うまみのある天然の塩や無農薬の胡麻、丸大豆、海苔など素材も吟味しています」と強調。足の悪いおばあちゃんもわざわざ立って、「ぜひテレビをご覧ください」と熱心な勧めでした。

香ばしい伝統の堅焼、胡麻たっぷりで体によい胡麻、ザラメ糖入り甘辛味のザラ、醤油のしみた石垣焼、砂糖がけの甘く柔らかい白がけ・茶がけ、磯の香り豊かな海苔巻、辛さの中にも味のある唐辛子の各せんべい。以上、大江戸鎧せんべいの人気アラカルトを、足の悪いおばあさんに成り代わり紹介しました。あとはテレビでよろしく。
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2010年09月23日

「人に投げた石は自分に跳ね返る」

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先週、大阪で開かれた「中秋明月祭」。両国民が和気あいあいと、楽しんでいました

4カ月ほど前のこのブログで、代議士の加藤紘一氏が3種類のナショナリズムについて講演した要旨を紹介しました。3種類とは、競争するナショナリズム、誇りのナショナリズム、そして闘うナショナリズムです。このうち「闘うナショナリズム」について、加藤氏はこう言いました。

竹島とか尖閣列島など近隣国との対立感を煽っての闘いは、政治家にとって効果のある政治行動だ。これを分かりやすく説明したい。家庭でいつも奥さんや息子、娘との疎外感を感じている頑固オヤジ、これを解消するには隣の家との喧嘩が有効だ。隣のオヤジに「境界線がはみ出している」「お宅の娘のピアノはいつもうるさい。上手になれもしないのに」などと口撃すると、「お宅に言われる筋合いはない」云々と必ず喧嘩になる。そうなるとこれまで阻害してきた奥さんを始め家族は、みんなオヤジの味方になる。ただこの闘うナショナリズム、ブーメランのようになって眉間に戻ってくる恐れがあることを忘れてはならない。
むかっ(怒り)

今の中国のやり方そのままです。閣僚級以上の交流停止、航空交渉中断、ガス田開発の条約交渉延期、上海万博への日本青年1,000人受け入れの突然延期、観光局による訪日渡航自粛勧告、環境フォーラムの延期、食品会社の1万人訪日団キャンセル、「SMAP」の上海コンサート延期等々、政治、経済、文化のあらゆる面で官民入り乱れての居丈高な対抗措置が目立ちます。身の周りでも、「秋葉原の中国人客が急減した」「西安からの観光ツアーで30人がキャンセル、日本から上海行も20人ドタキャン」などの話がとみに増えています。

そして21日、国連総会に出席した温家宝首相が「新たな対抗措置をとる」と、中国の首脳レベルとして初めて事件に触れてコメントしました。では新たな対抗措置とは、どのようなことが考えられるでしょうか。円の買い進めなどによる円高誘導、レアアースなど資源の輸出制限、尖閣諸島周辺での軍事訓練の展開や日本漁船の拿捕、ガス田開発の日中合意を破棄し単独での掘削など、ビザ発給さし止め、そしてお決まりの日本製品のボイコットなどでしょうか。

こういった異常とも思える行動をとる中国の狙いを、どう考えるべきでしょうか。大きく3点が考えられます。まず中国国民に対するポーズです。弱腰批判―反日ムード―反政府運動への対応で、そこには中国の「自信と弱み」が錯綜しているといわれます。つまり一見、高度成長が続くものの内実は所得格差、大学は出たものの職がないなどいろんな矛盾があります。そこで個人では実現できないチャイニーズ・ドリームを、次善の策として国にbPになってもらう。ある新聞は「愛国的情緒の高まり」と表現しています。

2つ目は東南アジア諸国へのポーズです。つまり尖閣で日中の対立を各国が注目しており、中国としては弱く出ることはできません。もちろん中国自身の東シナ海への進出という、大きな野望もあります。

そして3つ目は日本と米国への、ポーズというより探りでしょうか。ぎくしゃくする日米関係の実態を確かめる、民主党菅政権ははたしてどう出てくるのだろか等々を含め、日本政府の外交手腕を試しているといっても過言ではありません。

とはいえ「他人に投げた石はやがて自分に跳ね返る」ことを、中国自身よく知っています。例えば最近会った中国の民間企業トップ氏、「あれは政府のポーズであって、私たち経済人は理解している。もし日本企業が中国との取引で停滞すれば、それは即中国経済の停滞を意味することを」と語ります。

日中関係は、今後も予断を許さないかもしれません。71歳の大使を夜中に呼びつけるような、非常識な言動がまだまだあるかもしれません。しかし日本で大騒ぎすればするほど、中国側のペースです。この辺を冷静に分析して、日中双方のメンツを考えた落とし処で、やがては決着がつくはずです。週末から親日派が多いとされる中国東北の山東省で、ナマの声を聞いてみたいと思います。
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2010年09月22日

「牛さん」にかかわる3つの話

fuzisann.JPGシャイな富士山です。せっかくブログに載せてやろうと思うのに、恥ずかしそうに頭をちょっと出すだけで、全容を雲に隠してしまいました(21日午後3時50分、新富士駅至近の新幹線車中から)

 久しぶりに頭の体操です。父親が息子3人を枕もとに呼び、次のような遺言を残して死にました。「わしが死んだら、わが家の牛は長男が3分の1、次男が4分の1、そして三男と四男は6分の1に分けなさい」。ところが同家に残された牛は11頭しかいませんでした。息子たちは遺言通りに牛をわけることができたのでしょうか。
ちっ(怒った顔)

 答えは後で開示するとして、中国の若い母親たちがほっとしているでしょうね。先日も乳飲み子を抱える上海の女性スタッフから、「日本の口蹄疫(こうていえき)は本当に解決したのでしょうか」とメールがきていました。彼女を始め中国の母親たちが待ち望むのは、宮崎の口蹄疫問題に絡んで今年4月から輸入禁止になっていた日本製粉ミルクの解禁です。ご承知のように中国の国産粉ミルクは、メラミン入りに代表されるように事件が相次ぎ、母親たちからは外国製粉ミルク、とりわけ品質の高い日本製に人気が高まっていました。

 ところが例の口蹄疫の影響で、中国政府は4月から日本製の粉ミルク、牛乳、牛肉など関連商品の輸入を禁止しました。かといって母親たちは問題の多い中国製を可愛い我が子に飲ませるわけにはいきません。このため中国国内市場では、日本製の在庫品が高騰する一方、ネットショッピングを通じて密輸入する消費者もいました。現実に、中国スタッフに何の土産が欲しいかを尋ねると、ハンドキャリーによる「粉ミルク」が人気ナンバーワンでした。

 それがこのほど、ようやく事実上輸入解禁を認めるとみられる通知が国家品質監督検査総局から発表されたもようです。ただある省の検査検疫当局は「日本からの粉ミルクおよび乳製品の輸入解禁を意味しているが、輸入にあたっては原産国の機関による関連証書によって品質の安全性が証明されなければならない」と慎重です。これに関して、尖閣問題での中国当局の嫌がらせがないことを願うばかりです。
わーい(嬉しい顔)

 さて先ほどのクイズの答えですが、何とか分けられたのです。困った息子たちは隣家から牛を1頭借りてきました。そして計12頭の牛で、長男は3分の1の4頭、次男が4分の1の3頭、そして三男と四男は6分の1の2頭ずつを自分の分け前にしました。これで合計11頭になったので、隣から借りた1頭は返して円満解決となりました。古典パズルネタですが、円満にものごとを解決するには、誰かの助けを借りるのもいいことかもしれないという教訓です。
ふらふら

 ところで口蹄疫での苦労が身にしみたのか、東国原・宮崎県知事が12月末投票予定の次期宮崎県知事選に不出馬の意向を固め、知事引退後には「東国原新党」の旗揚げを検討していると報道されました。東国原氏が党首となって「地方分権・道州制の推進」を目指して政策で一致する政党と連携、来年4月の東京都知事選への出馬も前向きに検討を続けるとか。大阪の橋下知事、名古屋の河村市長、そして東国原知事。地元住民を始め有権者を巻き込んでの新党結成や議会との対立、「モ〜」どうなっているのでしょうか。
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2010年09月21日

1泊92万円のロイヤルスイートに誰が泊まる?

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10月1日オープンする「セント・レジス」の概観、1階など

 いやぁ、参った、参った。不況とはいえ、世間にはお金持ちが結構いるんですね。これまでにも数度紹介しましたが、大阪中央区の御堂筋本町角に10月1日オープンする超高級ホテル。1泊17万円から92万円のスイートルームがオープンを前に、しばらくの間全室予約で埋まっているというのです。

 このホテルは160室ありますが、うち148室のスタンダードルームが1泊6万3千円から7万5千円で、それ自体、誰が泊まるのか気になっています。問題は残る12のスイートルームで、17万円のエグゼクティブスイート2室、23万円グランドデラックススイート5室、32万円スイート4室、そして92万円のロイヤルスイートが1室あります。それがすべて埋まっているのです。

 確かにご祝儀や付き合いもあるでしょうが、庶民の当方には到底理解できません。しかし先日のある新聞に、マンダリンオリエンタル東京36階の1泊110万円するスイートルームを舞台に、日本初の富裕層向け会員制旅行会社を4年前に立ち上げた39歳の女性社長の話が載っていました。「お金持ちかどうかに限らず、多忙な人ほど年1回は日常生活を離れ、自分を見つめなおす時間が必要」ということで、入会金100万円、年会費60万円の彼女が経営するVIP専用旅行社には、限定ほぼ100人が登録しています。冒頭のスイート予約満室も、不思議な世界ではないのかもしれません。

 さて1日にオープンする「セント・レジス ホテル 大阪」は、シェラトン、ウエスティン、ダブリューなど9つの高級ホテルブランドを持つ米スター・ウッズホテル&リゾートが経営します。そのうちセント・レジスは9つのうちの最高級ブランドで、北京、上海、シンガポール、バリに次いでアジアで5番目のオープンとなります。セント・レジスを有名にしたのは例の完璧な「バドラー・サービス」です。執事が24時間体制で、客の問い合わせや要望に迅速に対応するという、いわば西洋版「おもてなしの心」です。

 とはいえ東京ならともかく、何ゆえ地盤沈下の激しい大阪でオープンしたかです。ホテル事情に詳しい人がいっていました。「あの“リッツ伝説”が生きているのではないか」と。リッツ伝説とは、1997年に大阪北区に日本初上陸した「ザ・リッツ・カールトン大阪」です。その時もほとんどの人が「大阪と英国貴族のリッツ、最も相容れない無謀な挑戦」と笑っていました。しかしまたたく間に関西ナンバーワン、それも群を抜く地位を確保し、10年後に東京に進出したのです。「リッツ伝説よ再び」の観があって、セントラル・レジスが本町に出たのかもしれません。確かに大阪人は見栄っ張りで、結構、新しモノ好きです。しかし15年前と比べると、疲弊感は相当ですから…。

 なおホテルが入るのは地下鉄御堂筋線本町駅に直結する地下2階、地上27階のビルで、セント・レジスは1〜2階、11〜14階、17〜27階(客室)です。ちなみに地下2階には以前紹介した中華レストラン「華都飯店」、同1階が和食の「味吉兆・ぶんぶ庵」。ホテルのエントランスとなる1階にはフレンチレストラン「ル・ドール」や田崎真珠、さらにリッツやフォーシーズンなどの高級ホテルで使用するタオル、バスローブの「カシウエア」のショップなどが入ります。また12階はイタリア料理の「ラ・ベデュータ」とバー、ラウンジだと聞いています。

 ちなみに楽天などネットで「セント・レジス」の予約検索をみると、1泊3万2千円(1人1万6千円)が載っています。スイートでなければ、意外と4万円未満で泊まれるかもしれませんね。ウツボ親父は宿泊の必要はありませんから、何とかバーで「ザ・マッカラン」の25年物を飲みたいと思っています。それでもボトルだとリッツ並みの7万円でしょう。かといってシングル1杯ン千円を注文して、「高いなぁ、もうちょっとマッカらん」なんてお客は、白い眼で見られるかもしれませんね。
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2010年09月20日

「敬老の日」とは何歳を対象にしているのでしょう?

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ただいま100歳、元気に田舎で暮らす父(右)。今年1月、地元の町長さんからお祝いをいただきました

「高齢者統計、名目と実質に分けます 厚労省」
「敬老の日、来てうれし、帰ってうれし、孫たくさん」
朝日新聞の読者投書欄「かたえくぼ」に18、19日の両日、それぞれ載っていました。

一般的に65歳以上を高齢者人口といいますが、総務省の統計では、2008年9月15日現在で推計2819万人とされ、総人口に占める割合は22.1%となっています。前年(2743万人、21.5%)に比べ、76万人、0.6ポイント増と人口、割合とも増加し過去最高です。ただこの数字は、18日の「かたえくぼ子」の言を借りればあくまで名目かもしれません。

ちなみに男女別では、男性1203万人(男性人口の19.3%)、女性1616万人(女性人口の24.7%)で、女性が男性より413万人多くなっています。また女性100人に対する男性の数で比較した「人口性比」は、0〜14歳105.1、15〜64歳101.2と男性が多いのに対し、65歳以上では74.5、70歳以上68.5、75歳以上60.6と、それぞれ女性が多くなり、80歳以上に至っては50.2と女性が男性の約2倍です。女性の長生きを証明しています。
プレゼント

ところできょうは敬老の日ですが、一体全体「敬老の日は」何歳以上を対象にしているのでしょうか。「国民の祝日に関する法律」(祝日法)によると、「敬老の日」は“多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う”とされているだけで、特に何歳とは限定していません。

参考のひとつになるのが、03年に改正された「老人福祉法」です。ここでは老人福祉の対象を65歳以上と定めており、あえて何歳以上からを祝うか線を引くなら、65歳以上が妥当というのが第1案です。

あるサイトに、「敬老の日にお祝いをされるようになる年齢は何歳くらいからだと思うか」と問いかけたアンケートが掲載されています。それによると、@50歳くらいから(以下同じ)2.04%A55歳0.66%B60歳23.92%C65歳18.75%D70歳26.59%E75歳5.08%F80歳4.10%G「年齢ではなく孫ができてから」13.69%Hその他―というのが結果です。Dの「70歳くらいから」が最多です。

確かに外見は元気そうに見えても、70歳を超えると何が起こるかわかりません。ならば元気なうちに敬老の日のお祝いをしておいた方が良いということで、70歳くらいが妥当というのが第2案といえるでしょう。

しかしまてよ、いわゆる「後期高齢者」は75歳以上のはずです。市町村によって招待年齢はちがうようですが、「敬老会」なるものは高齢者社会の現在では75歳以上が通例となっています。ならば75歳くらいから上を対象とする第3案もありえます。

逆に、先のアンケートでも23.92%と2番目に多く、しかもGの「年齢ではなく孫ができてから」13.69%を重視すれば、60歳くらいもしっかりした対象年齢になります。現実に60歳くらいの人の多くが2〜3歳の孫を持ち、そういった子どもたちから見れば祖父母はたとえ60歳でも「お年寄り」なのです。そういった意味からも60歳くらいからは、第4案としてノミネートできるはずです。

以上、多少こじつけですが「敬老の日」の対象年齢として65歳、70歳、75歳、そして若返って60歳くらいと4つの案が出てきますが、どうでしょう。しかし結論からいえば、祝日法が謳うように“多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う”ということで、特別線引きする必要はないと思えるのですが。

かくいう当方、もう1ヵ月ほどで63歳ですが、ぜんぜんその気はありません。子供たちは充分結婚適齢期ですがその気配もなく、孫など縁の遠い存在と考えています。逆に60歳になったばかりで、普段は「お年寄り」扱いされるのは嫌だという人でも、実際のお孫さんからのお祝いなら喜んでもらうという人も少なくはありません。要は、個人個人の気の持ち方といえます。

さて全国でこの夏、100歳以上の高齢者の所在がつかめなくなっている事例が相次いでいることから、各自治体は敬老の日のお祝いの渡し方などに工夫して安否の確認、つまり実質調査をするはずです。しかし田舎に住む当方の父親は、正真正銘の100歳(あと数ヶ月で101歳)と元気です。きのうも、電話で祝いの礼が届いていました。多少、耳が遠いのは如何ともしがたいですが、自ら「最近物忘れがひどくなったので、メモで確認する機会が増えた」と認識した上でのこの態度、まだかくしゃくとしたものです。「かたえくぼ子」にも胸を張って言える「実質」の高齢者です。
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2010年09月19日

きょうは日曜日、肩がこらない小話はいかがでしょう

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以前、実際に耳にしたことがありますが、テレビのニュース番組で台風の被害についてアナウンサーが、「現場は洪水の水が押し寄せてきており大変です」と中継していました。興奮していたためか、日常からそう思っていたのか、明らかに「水」は余分で、「洪水が押し寄せて」です。
TV

さすがにNHKは少ないですが、こういった誤りが最近民放テレビに多くなっているそうです。他の例では「一酸化中毒」(一酸化炭素中毒)、「おびただしい人の数」(おびただしい数の人)、「忘れかけられていた」(忘れられかけていた)等々、数え上げたらきりがないとある資料に書かれていました。

 しかもこういった日本語の変な表現にとどまらず、年代や地域名など明らかな事実関係の間違いも少なくないとされています。主たる要因は、新聞社や出版社にある校閲係が、民放テレビ局には存在しないからです。ニュースの場合は記者が書いて、デスクのチェックが入るだけで完成原稿としてアナウンサーが読む仕組みです。元来アナウンサーは、発言力等に関しては乏しいものがあり、ついつい読んでしまいます。

 そうでなくても、広告収入の減少で民放テレビ局の経営は大変です。経費が増えるだけで収入にはつながらない校閲部隊を新設する民放は、今後ともほとんどゼロといっていいでしょう。しかしたびたびケアレスミスを聞かされていると、そのうち「このニュース本当かいな」と視聴者が思うようになるかもしれませんね。
映画

 さて日曜日ですから、先日終わった民主党代表選で争った両候補のテレビ会談を見ていてアレンジした肩のこらない小話3つ。
1

「母さん、もし代表選の選挙権があったら、おまえ誰に入れる?」
「わたし、断然司会者に入れるわ」
2

「両候補のテレビ会談、おそらく全国民がみんな見ているのに、この子は大学生だというのに居眠りなんかして、将来何になるんだろうね」
「総理大臣の候補を聞いて居眠りするんだから心配するな」
「えっ、どうして?」
「国会議員になれるはずだ」
3

「この会談の番組はスポンサーが引く手あまただったそうですよ」
「そう、で結局どこに決まりましたか?」
「嘘発見器の会社だそうです」
ひらめき

 おあとがよろしいようで。
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