2010年10月06日

「最近の中国情勢」@経済について―来年下期から浮揚も時限爆弾に注意を

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講演する古屋氏(右)。来年後半までの中国経済の減速を予測

伊藤忠中国総合研究所の古屋明代表の講演要旨は次の通りです。
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まず「中国経済」について。中国は2008年のリーマン・ショックによる世界不況を『一党両断』で見事に乗り切った。つまり一党独裁という政治力を最大限に発揮、ピンチをチャンスに変えてV字回復を図り、その実力を世界にプレゼンスした。中国は内政面ではチベット問題や農村問題、格差や賃金問題などいろんな弱点を抱えるが、外圧には圧倒的な強さをもつことが今回も証明された。

 しかし4兆円(56兆円)にも上る大型景気刺激策に代表されるように、政府も金融機関もお金を出し過ぎたことによる後遺症が表面化しつつある。市中で金がダブつき始め、不動産中心にバブル現象になっており、政府や金融機関はいま必死に引き締めに走っている。この結果、中国経済は「2010年に入って減速局面にある」とまとめることができる。

 これを数字でみると、今年1〜6月のGDPは前年同期比11.16%と確かに高い。これはあくまで前年同期が低かったためで、7〜9月は10%、10〜12月は9.5%が予想され、年間トータルでも10%台を確保できるかどうかとされている。引き続き引き締め政策を強めており、後半から来年前半にかけて減速は止まらないものと思われる。

 ただ来年後半から浮揚期入ると予想される。あえて言えば、どうあっても浮揚させざるを得ない事情がある。背景には、2012年秋に予定されている第18回党大会の開催がある。つまり胡錦濤執行部9人のうち7人が引退して世代交代が行われる予定だけに、この円滑な権力交代には経済安定と社会不安抑制が不可欠となっている。そこで11年後半から12年にかけて、抑制策を転換して景気浮揚策が講じられるものと予測される。

 もっとも中国の金融システムは、数個の時限爆弾を抱えていることを認識しておく必要がある。まず融資の拡大は地方政府から各企業に多く流れるという点。それ以上に怖いのは、不動産への融資だ。ご承知の通り中国の土地はすべて国が所有し、民間は地上権のみ借りる。実はその地上権使用料が、中国財政総収入100兆円の20%を占めているわけで、中国にとって土地は高くないとだめなのである。

 上海では総財政収入の22%、北京に至っては46%も占める。このため各地方もプロジェクトチームを作って積極的に土地収入の拡大に動いており、中国では不動産バブルは常に起こる「宿命」といっても過言ではない。そして3つ目が生産過剰業種への投資。セメント、アルミ、風力発電さらには鉄など、そうでなくても生産能力が過剰といわれている業種に、引き続き投資が行われている。この需給ギャップの悪循環は一向に改善されていない。

 以上、地方政府から地元企業、不動産業界、生産過剰業種の3分野へ流れた資金がもし、不良債権に陥り担保割れ、返済不能という事態が生じると、中国経済は大変なことになる。

「成長は全てを隠す」といわれるが、成長・安心をキーワードとする中国にもこういった時限爆弾があることを十分認識していただきたい。その上で、中国の「発展の光」と「やや弱い陰」の両者を見極めつつ、攻めと守りをしっかりして事にあたるべきだ。(つづく、次回は労働争議と人民元問題)
posted by ウツボおやじ at 00:00| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記
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Posted by jlfkcbsny at 2015年01月22日 17:10
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